最終更新日:2006.2.21
物理学IIB
第2年次 前学期 電気工学コース 選択必修 2単位
1.目的 (物理学IIA,IIBのシラバスに記載)
自然現象に対する物理的なも
のの見方、考え方、すなわち、物理の原理・法則性
の認識と法則の定量的な取り扱い方を会得させ、物理学の理工学への多岐にわたる
応用のための基礎的知識を習得させる。「物理学II」では、電磁気学、現代物理学
(相対論、量子論)の基本的で重要な部分を、その定量的表現のために数学を駆使
する。必要な数学的知識・手法は必要に応じて教授するが、特にベクトル解析(編)
微分方程式の分野についても詳細に講義する。
2.授業計画(予定)と参考資料ファイル
電気工学科は1年次において「電磁気学IA」,「電磁気学IB」を履修(必修)済み
であり、引き続き、電気工学コースでは2年前期「電磁気学IIA」, 2年後期「電磁
気学IIB」」を履修することになっている。このような履修履歴を考慮して、本講義
を行う。
解説:物理学における文字と、文字式の意味 2006.2.21
(電磁波とその性質)
電磁気学法則の微分形とマックスウエル方程式
例題:電磁波の性質
例
題:マックスウエル方程式から電磁波方程式の導出1
例
題:マックスウエル方程式から電磁波方程式の導出2
(特殊相対論)
1)光速一定の原理、相対性原理とローレンツ変換
ロー
レンツ変換および逆変換
2)相対論的運動学
ローレンツ収縮、同時性概念の相対性、時間の遅れ、速度合成則
物理情報伝達速度上限としての光速度、
カー
ナビの原理(GPS)と相対論
例
題:2つ事象の時間差(1)
例
題:2つ事象の時間差(2)
例
題:飛行機の時間の遅れ
例
題:走行中の粒子の平均寿命
例
題:μ粒子の寿命と走行距離(1)
例
題:μ粒子の寿命と走行距離(2)
例
題:電子間の相対速度(1)
例
題:電子間の相対速度(2)
3)相対論的力学(1)
4次元時空、固有時、4元ベクトル(位置、速度、加速度、力)
4元運動方程式
相対論的力学(2)の要約
質量の速度依存性(静止エネルギー他)
運動量・エネルギーの変換式、
エネルギーと運動量の関係、質量欠損と結合エネルギー
例題:太陽の放射エネルギーと質量消滅
例題:磁場中の荷電粒子の運動
説明:水素原子における質量欠損と結合エネルギー
例
題:電子の半径の推定
例
題:ドップラー効果と速度計測
相
対論と電磁気学
(参考) 相対論的アプローチ導入によるクーロン力の変換(修正)
「静止」している試験電荷に働く電気力
例
題;「静止」している試験電荷に働く電気力(1)
例
題;「静止」している試験電荷に働く電気力(2)
例
題;「静止」している試験電荷に働く電気力(3)
(参考) 「運動」している試験電荷に働く電気力
(狭義の)ローレンツ力の導出
例
題:「運動」している試験電荷に働く電気力(1)(pdfファイル)
例
題:「運動」している試験電荷に働く電気力(2)(pdfファイル)
例
題:「運動」している試験電荷に働く電気力(3)(pdfファイル)
(参考)電流がなぜ磁場を生じるか(磁場の相対論的意味)
(参考)電流が動いている電荷に及ぼす磁気的な力、電流間の磁気的力の導出
(参考)電場と磁場の変換性
電場と磁場の同等性、電磁誘導法則の相対論的意味
マックスウェル方程式、電磁波の波動方程式のローレンツ変換性
電磁気学法則の相対論的定式化
(量子力学入門)
1)黒体放射のプランク公式とエネルギー量子仮説
2)光電効果と光子の理論
例題:照射光中の光子数 2006.2.7 new !
3)コンプトン散乱
例題:コンプトン散乱(1)
4)ボーアの水素原子模型
5)ド・ブローイ波
説明:ド・ブローイ波
例題:TVのブラウン管中の電子のド・ブローイ波長
例題:ド・ブローイ波と群速度 2006.2.7 new
例題:ド・ブローイ波と微小粒子の観測 2006.2.7 new
6)不確定性関係
例題:水素原子における不確定性関係の役割
7)シュレディンガー方程式と波動関数の確率解釈
8)無限量子井戸型ポテンシャルに対するシュレディンガー方程式の解法
−波動関数の境界条件と量子化ー
例題:無限量子井戸型ポテンシャル(1)
例題:無限量子井戸型ポテンシャル(2)
例題:無限量子井戸型ポテンシャル(3) 2006.2.7new !
例題:無限量子井戸型ポテンシャルの状態遷移の電磁波の波長
2006.2.8 new !
9)ポテンシャル障壁とトンネル効果
例題:階段型ポテンシャル障壁への入射(エネルギーが低い場合)
例題:階段型ポテンシャル障壁への入射(エネルギーが高い場合)
例題:矩形ポテンシャル障壁への入射(1)
例題:矩形ポテンシャル障壁への入射(2)
3.評価方法
中間試験(30%)、期末試験(40%), レポート(30%)によって総合的に評価する。
訂正します。(2006.2.8)
(誤り、
取り消し) 「後半レポート課題:締め切り 2月
17日(金)17時
研究室前
の引き出しに入れていますので、各自確認して下さい。」
後半レポートは以前、授業中に指示した内容で、2月8日(水)締め切りでした。
4.履修上の注意
本講義が十分理解できるためには、物理学IA, 物理学IB、物理学IIA
の科目を修得していることが望ましい。
5.教科書・参考書(教科書1、参考書2以下の予定)
1) 原 康夫「物理学の基礎(第3版)」(学術図書出版社)
(図書分類番号:)