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PBL (Project-Based-Learning) 課題解決型学習

PBL教育とは

はじめに

 わが国の工学部入学志願者は減少傾向(10 年間で4割減)にあります。これに伴う入学者の学力低下に対して、 高度に発達し、複雑化した産業技術社会の求める人材のレベルは高くなっています。これらの状況を鑑みるとき、 工学教育の質的転換と新しい教育システムの構築が必要であり、かつ緊急性を要するものであることは明らかです。

 このような背景の下、本学工学部は平成20 年度に改組を行い、3つの新学科を設立しました。
その中の一つである総合システム工学科は、先端領域を目指した融合型カリキュラムにより、機械工学、電気電子工学など、 複数の工学分野の知識を身に付け、学際融合型の先端技術に対応できる人材を育成することを目的としています。

PBLとは

 PBL(Project-Based Learning)とは、和訳では「課題解決型学習」であり、座学(講義形式教育)と一線を画す るものです。PBLの起源は1960~1970年代に北米で実施された医学教育にさかのぼります。
PBLが医学教育で開発・実施された背景は、生物医学的知見が日進月歩で急速に拡大・革新することに対して、従来型の 教育体系では対応できず、臨床医学的実践において、常に新しい知識と技法を教育せざるを得なかったことによります。
一方、企業においては、新入社員教育に実施されるOJT(On the Job Training)がこれに対応します。

 近年の高度情報化社会に代表される科学の進歩に対して、従来型の「講義」と「実験・演習」の積み上げ(詰め込み型教 育、系統的教育)により教える量を増やしたとしても、現在の多岐にわたる学問分野を網羅できないばかりか、 逆に多くの学生が目的を見失い、意欲を削がれる結果となります。

 そのため、学問の発展と複雑化・細分化の結果、大学教育は知識や技術の伝授よりも、個々の学生に適した方法論の 習得と確立を重視するべきです。この点で、PBLでは具体的な課題を設定するため、課題解決という目標に向かって学生 は意欲的に取り組むことができ、その過程で自分の方法論を獲得するのです。

教育取り組み内容

 PBLを基軸とする当該教育改革において、「カリキュラム」が重要であることは間違いないのですが、「教育環境のトー タルデザイン」が最も重要であることを強く主張します。

 本教育取り組みは、平成20 年度に新設された総合システム工学科をモデルケースとして、工学部での教育改革の先陣を 切って開発・整備・実施しています。本取り組みではPBL科目を単純に追加するのではなく、カリキュラムの基軸として 据え、ほかの科目とのリンクを強固にする点に特徴があります。

 PBL科目において、学生は1グループ5人程度のチームを構成し、各チームのプロジェクトテーマとしては、 解決方法が知られていないオープンなものを設定します。プロジェクト実行のためのフレームワークの設定、実施計画立案、 プロジェクト実行を学生が自ら行います。この過程で、学生はほかの講義・実験科目の重要性を認識し、課題解決という 目標に向かって意欲的に取り組むことにより、学習動機を強くすると同時に、通常の講義・実験科目では得られない 実践的な力(課題解決能力、プレゼンテーション能力、論理的思考力、モデリング能力、デザイン力など)を身に付けるこ とができます。

 本取り組みは次の3つの内容からなります。第1に、PBLを基軸とするカリキュラムの開発・整備を行います。 各PBL科目の内容の整備と、ほかの講義・実験・演習科目との連携を行います。

 第2に、教育環境・学習環境のトータルデザインを行います。PBLのクリエイティブな教育・学習の場として、 プロジェクトラボラトリーを設立します。実りあるグループ学習のために、ディスカッションやアイデアの交換、発想が 気軽にできる環境を人間工学的観点に立ってデザインします。授業時間中の利用だけでなく、授業時間外での学生の自発的 な学習を促し、創造性の育成に適した魅力あるスペースを実現します。

 第3に、PBL教育の運営・管理体制の整備を行います。PBL教育の「運営」「プロジェクト管理」「指導」「評価」に ついて、現状の問題点を洗い出し、解決策を検討します。最終的には、総合システム工学科をモデルケースとした「PBL を基軸とする工学教育プログラム」を工学部全体へと展開し、さらに新しい工学教育のジャパン・スタンダートとして 全国に発信します。

 なお、本取り組みは提案内容が文部科学省より認められ、平成20 年度「質の高い大学教育推進プログラム」(教育GP) に採択されております。(実施期間:平成20~22 年度)

PBL 掲載資料

PBL についての説明をした掲載分を以下のリンクからダウンロードできます。ご参考ください。
◎PBL教育の簡易説明(九工大通信2009 年4 月1 日号記事、全1ページ:pdf 788kb)
◎PBL教育の詳細説明(教育ブレティン2008 年度号記事、全9ページ:pdf 872kb)

・はじめに
・PBLとは
・教育取り組み内容
・PBL掲載資料